Dellの新ブランド体系について。個人ユーザーはDellブランドがおすすめ、Dell Proブランドは難解！？

Dellは2025年に入り、ノートパソコンのブランド体系を一新しました。ここ数ヶ月ほどDellの製品情報やセール情報記事の掲載をしてこなかったこともありまして、この記事では新ブランド体系の説明と、すでに発売されている新ブランドのモデルをご紹介します。

新ブランド体系についてのDellのニュースリリースはこちらです。
デル・テクノロジーズ、PCポートフォリオを刷新、再設計し、 AI PCのムーブメントを牽引

1. Dell新ブランド体系を解説

従来の「Inspiron」や「XPS」「Latitude」「Precision」といったブランド名は姿を消し、代わって「Dell」「Dell Pro」「Dell Pro Max」の3体系に再編されました。…しかし、鬼コスパで鳴らしたInspironや看板ブランドXPSが廃止というのは「思い切ったよなあ…」と感じられますよね。

新ブランド体系は以下です。

「Dell」：個人向け、学校向け、仕事向けの製品設計
「Dell Pro」：プロフェッショナル レベルの生産性を発揮する製品設計
「Dell Pro Max」：最高峰のパフォーマンスを発揮する製品設計

それぞれのブランドは性能に応じて「Base」「Plus」「Premium」の3グレードに分かれています。

ちょっと冗長になりますが、この3枚の画像をご覧ください（Dell公式サイトにあった画像です）。

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従来のDellの製品ブランドを理解している、という人にはこれらの画像で「ピンとくる」んじゃないでしょうか。個人向けPCでは従来のXPSブランドはざっくりDellブランドのPremium、Inspironブランドは（表では説明されていないけれど）ざっくりDellブランドのPlusもしくはBase、法人向けPCのLatitudeブランドはざっくりDell Proブランド、PrecisionブランドはざっくりDell Pro Maxブランドによって継承される、ということですね。

次に、既発売の新ブランドのノートPCを2機種チェックしてみたいと思います。これにより、新ブランド体系の意味するところがより強く理解できると思います。

2.Dell 14 PlusとPro 14 Plusの比較

Dell 14 Plus

DellブランドのノートPCで5月5日現在販売中なのは「Dell 14 Plus」「Dell 14 Plus 2-in-1」「Dell 16 Plus」「Dell 16 Plus 2-in-1」の4機種です。Base/Premiumモデルはまだ発売されていません。ここではDell 14 Plusのスペック表を掲載しました。

Dell 14 Plusの筐体サイズはInspiron 14とほぼ同じですが、ポート構成や配置はInspiron 14とは違っていますので、同一筐体とは言えないです（ただし、よく似ています）。また、CPUがCore Ultraシリーズ2（Lunar Lake）で、Copilot+ PCでもあります。

ウインタブがよく使う書き方だと「Dell（無印）」みたいになってしまい、エントリーブランドっぽい印象がありますが、スペックを確認すると決してエントリークラスではなく、CPUやSSD容量、ディスプレイの仕様から見て「ハイスペッククラス」と言っていい構成です。というか、Dell Plusに関してはInspironより高いスペックですね。

現時点でDell Premiumは未発売ですが、こちらは「XPS見合い」の仕様と思われます。ウインタブは個人向けPCを中心にご紹介していますので、今後は主に「DellブランドのBase/Plus/Premium」について記事を掲載することになると思います。

Dell製品ページ：
Dell 14 Plus(DB14250)
Dell 14 Plus 2-in-1(DB04250)
Dell 16 Plus(DB16250)
Dell 16 Plus 2-in-1(DB06250)

Dell Pro 14 Plus

Dell Proブランドで5月5日現在販売中なのは「Dell Pro 13 Plus（ノートPCまたは2-in-1）」「Dell Pro 13 Premium」「Dell Pro 14」「Dell Pro 14 Plus」「Dell Pro 14 Premium」「Dell Pro 16」「Dell Pro 16 Plus」があります。

一通り確認してみて「これ、一般ユーザーがWebサイトで注文するのは困難」と感じました。製品ページの作りがわかりにくすぎます。例えばスペック表を掲載したDell Pro 14 Plusにはクラムシェルノートと2-in-1があるはずですが、注文できるのは2-in-1のみ。また、2-in-1であるにも関わらずディスプレイが「非タッチ」ですw（2-in-1でディスプレイがタッチ対応しない製品は初めて見ました）。

Dell ProブランドはOSがPro版のみで、CPUもvPro対応の型番がメイン。Dell Pro 14 Plusでは全てvPro対応の型番になっていますし、CPUにArrow Lake（Copilot+ PC非対応）とLunar Lake（Copilot+ PC対応）が混在しています。

この複雑さに加えて、（繰り返しになりますが）製品ページのカスタマイズ項目が異様にわかりにくいですし、ウインタブでDell Proブランドの製品紹介記事を掲載するのは不可能だと感じました。

おそらくDellはこのブランドをWebで販売する気はない、もしくは法人向けに担当者がついてアドバイスしながら注文を受けるつもりでしょう。でないと個人ユーザーがDell Proブランドの製品を独力で最適構成に仕上げるのは難しいです。特にPC初心者の人は手を出すべきではありません。

Dell製品ページ：
Dell Pro 13 Premium ノートパソコン(PA13250)
Dell Pro 14 Plus ノートパソコン(PB14250)
Dell Pro 14 Premium ノートパソコン(PA14250)
Dell Pro 16 Plus ノートパソコン(PB16250)

3.まとめ

PCメーカーの直販サイトに製品ページがあり、スペック表も載っているのに紹介記事が書けない、という経験はめったにしませんねー。Dellブランドのほうは個人ユーザーがWebで問題なく注文できると思いますけど、Dell Proのほうは（注文できる製品もあると思いますが）ちょっと怖くて購入する気になれません（構成があいまいなまま、20万円とかの買い物はできないですよね？）。

ということで、今後ウインタブではDellのDellブランドを中心にご紹介していきます。